その名は●ヒデとロザンナ：Picture on the Wall：SSブログ

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その名は●ヒデとロザンナ　[the name] [編集]

♪　別れたあなたと　三年経って
　　街の小さなカフェで　バッタリ逢った
　　涙をこらえて　あの時去った
　　こんな気持なんか　あなた知らない
　　どうしてこんなに　胸がときめくの
　　忘れたはずの　恋人なのに
「愛情物語」（詞・橋本淳、曲・中村泰士、歌・ヒデとロザンナ、昭和４６年）

男と女のデュエットソングは数多ある。

古くは昭和１０年、
♪　あなた呼べば　あなたとこたえる　というディック・ミネと星玲子の「二人は若い」。
また、映画「愛染かつら」の主題歌「旅の夜風」を吹き込んだ霧島昇とミス・コロムビア（松原操）は、のちに結婚しデュエットで多くの曲をレコーディングした。

カラオケでも「銀座の恋の物語」（石原裕次郎、牧旬子）、東京ナイトクラブ（フランク永井、松尾和子）などは男女の定番デュエットソング。

ただこれらも含め、その多くはその場限りのユニット。

しかし、はじめから男女のヴォーカルユニットとしてデビューするケースもある。
うえに歌詞をのせたヒデとロザンナがそう。

ヒデとロザンナは、元映画俳優の出門ヒデとイタリア人のロザンナ・ザンボンによって結成されたユニット。昭和４３年デビュー曲の「愛の奇跡」が大ヒット。その後、「粋なうわさ」や「愛は傷つきやすく」などのヒット曲をだした。ワルツが奏でる再会ストーリー「愛情物語」もよかった。

このデュオが出てきたのは、ちょうどグループサウンズが衰退していき、女性シンガーによる歌謡ポップスが台頭してきた時期。主なシンガーをあげると、いしだあゆみ、ピンキーとキラーズ、小川知子、伊東ゆかり、黛ジュン、由紀さおり、弘田三枝子、森山良子、奥村チヨなど。

ヒデとロザンナの二人は後に結婚したが、平成２年、ヒデが４９才の若さで亡くなる。
数年前、あるナツメロ番組で「愛の奇跡」が蘇った。生のロザンナの歌とハイビジョンに映し出されたのヒデの歌をシンクロさせたのだ。これはかなり感動的だった。
最近息子が大麻で捕まったというニュースもあったが、それはともかく。

そもそも、ヒデとロザンナのような男女の名前を組み合わせたデュオはいつ頃から出てきたのか。

洋楽で言えば、「ヘイ・ポーラ」HEY PAULAのポールとポーラPAUL & PAULAや「朝の雨」EARLY MORNING RAIN のイアンとシルヴィアIAN & SYLVIA、「アイ・ガット・ユー・ベイブ」I GOT YOU BABE のソニー＆シェールSONNY & CHER、あるいは「サマー・ワイン」SUMMER WINE のナンシー・シナトラとリー・ヘイゼルウッドNANCY SINATRA & LEE HAZLEWOODが。いずれも１９６０年代にヒットを飛ばしたデュオで、その影響を受けて日本でも男女のユニットが結成されたのだろう。

その「ヘイ・ポーラ」をカヴァーしたのがマイ・カップル（田辺靖雄と梓みちよ）。何曲かオリジナルを出したが（「１２と１３」という名曲もある）、「ヤスオとミチヨ」にはならなかった。

ということは、ヒデとロザンナが第１号？

「愛の奇跡」がヒットした翌年。やはり男女のデュオＫとブルンネンが「何故に二人はここに」でデビュー。ヒデとロザンナ同様大和男児と碧眼娘のコンビだったが、その後尻つぼみに。Ｋは小室等の弟だということを何かで読んだ。

それから３年後の昭和４６年、東京国際音楽祭で「ナオミの夢」を歌って優勝したイスラエルの男女デュオ、ヘドバとダビデが日本デビュー。男女のデュオブーム？で、同じイスラエルのシュキ＆アビバも「愛情の花咲く樹」をヒットさせた。

その翌年には結婚したブルーコメッツの三原綱木とポップシンガー・田代みどりがつなき＆みどりを結成。「愛の挽歌」をヒットさせたが、すぐに離婚で解散。

昭和４９年には演歌だが、さくらと一郎が「昭和枯れすすき」を大ヒットさせている。

ヒット曲を出した名前付き男女デュオの最後と思われるのは、昭和５７年に「三年目の浮気」をリリースしたヒロシ＆キーボー。

つなき＆みどりもそうだが、もはや「○○と△△」というネーミングは古いとばかり「＆」になっている。

昭和４０年代、５０年代には、そのほかにもチェリッシュ、紙風船、ダ・カーポといった男女デュオがあったが、その多くは人名を２つ並べたものではなかった。その傾向は現在まで続いている。

やっぱり印象的だったのは「ポールとポーラ」。韻を踏んだネーミングがいい。これが「ポールとジャネット」とか「ウイリアムとポーラ」では、それほどのインパクトはない。
日本でもたとえば「一雄と和子」とか「隆と孝子」、あるいは「ヒロシ＆ヒロミ」なんてどうでしょう？　ないだろうなぁ。