『ボサノヴァ①』：Picture on the Wall：SSブログ

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『ボサノヴァ①』　[noisy　life] [編集]

No strings have pearls in a velvet glove
The thing I long for is the gift of love
No ring of gold but a dream to un fold
When all the stars have flown and we're alone
…………
For love can be a melody that lingers
Or slip like april wine right through your finger
So kiss me sweet till our secret star
Illuminates the way to Shangri-La
Whatever fate may befall all I know is that
The gift of love is the greatest gift of all
([THE GIFT(RECADO BOSSA NOVA)]words by P. F. WEBSTER, music by D.FERREIRA, vocal by EYDIE GORME, 1963)

ボサノヴァ（ボサ・ノーヴァ）が誕生したのは１９５８年ブラジルに於いて。日本でいうと昭和３３年。ちょうど「有楽町で逢いましょう」（フランク永井）が流行り、ロカビリーの祭典、第１回日劇ウエスタン・カーニバルが開催された年。

ボサノヴァをつくりあげたのは、作曲のアントニオ・カルロス・ジョビンANTONIO CARLOS JOBIM 、作詞のヴィニシウス・ジ・モライスVINICIUS DE MORAES、そしてギター＆ヴォーカルのジョアン・ジルベルトJOÃO GILBERTO の３人。そもそもボサノヴァとは、ポルトガル語で“新しい音楽のかたち”という意味で、そのベースになっているのはサンバ。サンバをより現代的（当時の）にしたものがボサノヴァであり、本来アフロの匂いのするサンバを白人化したもの、という人もいるし、スローサンバなどと呼ぶ人も。

ボサノヴァとして録音された第一号は、「想いあふれて」CHEGA DE SAUDADE （英語ではNO MORE BLUES）ですが、ボサノヴァが世界的に注目され、ポップスやジャズに大きな影響（日本の流行歌にも）を与えるきっかけとなった曲は「イパネマの娘」GIRL FROM IPANEMA。ジョビン、モライスのコンビの作で、歌ったのはアストラッド・ジルベルトASTRUD GILBERTO。

ジョビンとモライスは「イパネマの娘」以外でも、「ワン・ノート・サンバ」ONE NOTE SAMBA、「おいしい水」AGUA DE BEBER、「平和な愛」O MORRO、「ディザフィナード」DESAFINADOなどたくさんの名曲を紡ぎ出しています。

「リカード・ボサノヴァ」はブラジルのフェレイラの曲に、ウェブスターが英語詞をつけたもの。８０年代にイーディ・ゴーメの歌うこの歌が煙草のＴＶコマーシャルに使われ、日本でもよく知られるようになりました。

イーディ・ゴーメは１９３１年ニューヨーク生まれ。両親はトルコからの移民。良人のスティーヴ・ローレンスとのコンビ“スティーヴ＆イーディ”で知られています。最もポピュラーなのは１９６３年にミリオンセラーを記録した「恋はボサノバ」BLAME IT ON THE BOSSA NOVA。

また６６年には「彼のいる私の人生」IF HE WALKED INTO MY LIFEでグラミー賞のポップ・ヴォーカル女性歌唱賞を受賞しています。ポップス、ジャズはもちろん、ボサノヴァをはじめ、シャンソン、カンツォーネ、ボレロなど、インターナショナルな楽曲をレコーディングしていることでも知られています。

「リカード・ボサノヴァ」はほかに、４オクターブの音域をもつといわれるイタマーラ・コーラックスITHAMARA KOORAXが歌っています。日本の女性ジャズシンガーでは真梨邑ケイで聴いたことがありますし、他にも歌っている人がいるのでは。

演奏では“地元”のワルター・ワンダレーWALTER WANDERLEYやジャズのハンク・モブレーHANK MOBLEY、ボビー・エンリケスBOBBY ENRIQUEZ などで聴いたことがあります。

とにかくそのサウダージに満ちた独特のリズムは、スタン・ゲッツSTAN GETZ、レイ・ブライアントRAY BRYANT、ジム・ホールJIM HALL、ジョージ・ベンソンGEORGE BENSONあるいは最近亡くなったオスカー・ピーターソンOSCAR PETERSONなど多くのジャズメンにも好んで演奏されています。

ではリカード・ボサノヴァをビッグバンドで。