夏の歌⑨エンドレス・サマー [noisy life]
♪ 渚を染めて 沈むサンセット
なぜ胸が こんなに痛い
潮風が吹く 口笛のメロディーが
連れてくるよ あの日
失くしてから 燃え上がるなんて
もてあます心よ 夏が終わらない
(「エンドレス・サマー」詞:高橋研、曲、歌:矢沢永吉、平成8年)
夏の歌の締めくくりは、連チャンで永ちゃん。
と思って曲を考えたとき浮かんできたのが2曲。キャロル時代の「夏の終わり」と個人的に好きな「エンドレス・サマー」。たいがいは、古い曲に敬意を表するのですが、今回は好みでいってみました。
「エンドレス・サマー」は、アルバム『MARIA』に入っていたバラード。海辺にたたずみ、消えてしまった夏の日の恋に思いを馳せるというよくあるシチュエーション。少し違うのは、“逝く夏”を歌った多くの曲は、ただ感傷に浸っているというケースが多いのですが、この「エンドレス・サマー」では、未練がつのるどころか、恋心がますます「燃え上が」って、リアルな話、“やり直し”のお願い電話をかけそうな心境。だからいつまでも「夏が終わらない」のでしょう。
deacon_blueさんがご自分のブログに書いていたように、矢沢永吉の楽曲は、キャロル時代は別にして、詞を他人に依頼することが多い。
たとえば、『MARIA』で全曲の作詞をてがけた高橋研は、元シンガーソングライターで、現在はプロデュースや作詞作曲活動をしています。作詞作曲では「翼の折れたエンジェル」(中村あゆみ)、詞のみでは高見沢俊彦との共同で「メリーアン」、「星空のディスタンス」(いずれもアルフィー)などが。
同じ作詞にシンガーソングライターを起用したケースでは、「プカプカ」で知られる今は亡き西岡恭蔵も、「黒く塗りつぶせ」や「東京ナイト」など多くの楽曲を書いています。
そのほか、初期の「アイ・ラブ・ユーOK」や「ウイスキー・コーク」、「恋の列車はリバプール発」を作った相沢行夫は矢沢ファンならご存知の元バックバンドのギタリスト。その後ロックバンド「NOBODY」をつくり、アン・ルイスの「六本木心中」や吉川晃司の「モニカ」などの曲も書いています。
また、矢沢永吉の場合、特筆すべきはプロの、それも一流(ヒット曲が多い)といわれる作詞家に依頼するケースが多いということ。
とっかかりは、「時間よ止まれ」の山川啓介でしょう。山川啓介は「太陽がくれた季節」(青い三角定規)や「聖母たちのララバイ」(岩崎宏美)で知られるベテラン。矢沢永吉では他に「チャイナ・タウン」があります。
その他、観客席の“タオルショー”が見られる「止まらない~HaHa」のちあき哲也は「飛んでイスタンブール」(庄野真代)や演歌「かもめの街」(ちあきなおみ)のヒット曲があり(余計なことですが渡哲也の「ほおずき」は愛唱歌)、「赤いスイトピー」(松田聖子)、「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)など枚挙にいとまなしのヒット曲をもつ松本隆も「サブウェイ特急」他を書いています。
また、「闇の中のハリケーン」や「ラスト・シーン」を書いた大津あきら(この人も亡くなりました)は「心の色」(中村雅俊)や「マイ・クラシック」(佐藤隆)などの、「SOMEBODY’S NIGHT」の売野雅勇は「2億4千万の瞳」(郷ひろみ)、涙のリクエスト(チェッカーズ)、「少女A」(中森明菜)、「め組のひと」(ラッツ&スター)などのヒット曲がそれぞれあります。
矢沢永吉の歌の中に、どこかPOPな印象を感じることがあるのは、そうした流行歌のツボを押さえた“職人”たちの詞のせいかもしれません。さらにいえば、それがYAZAWAの戦略なのかも。
まだまだ好きな“夏の歌”はたくさんあり、尽きることがありません。ですが、腹八分目(もう十二分かも)の節度も大事。続きは、もし生き延びていたら来年の今頃にでも。
☆ 西岡恭蔵と矢沢永吉の組合せは「トラベリン・バス」にとどめを刺します。「SONGS」の過去のライブの模様でも出ていました。
☆ もう一曲。「ひき潮」を推します(^o^)。
by deacon_blue (2007-07-16 22:34)
deacon_blueさん、コメントをありがとうございます。
「明星食品」のCMって知りませんでした。まさかインスタントラーメンですか?
私はシングル盤6枚もってます。ただ当時、すべてパチンコで取ったもので、好きで手に入れたわけではなく、自慢になりませんよね。
by MOMO (2007-07-20 21:33)
simaさんはじめまして。nice!を2つも、ありがとうございます。
矢沢永吉、わたしはファンと言えるほど知識はないのですが、好きなアーチストです。今後ともよろしくお願いします。
by MOMO (2007-08-20 21:52)
MOMOさん、こんにちは。
nice! 押し逃げしてしまいスミマセンでした。
また、
先般は、わざわざ弊blogまでお越しお越し頂きまして、
どうも有り難うございました。
このエントリーを拝読したとき、
「あぁ、まさしくそうかも知れない!」と思いました。
(流行歌の職人のくだり)
私も、このエンドレスサマーは好きです。
あの穏やかなメロディと、未練を残している心情が後を引きます。
同じく、
時間よ止まれ、夏の終わり、そして引き潮も好き、
夏を感じさせてくれて好きです。
まだ、残暑は厳しいのですが、
日増しに日照時間は短くなり、夏の終わりを感じます。
そんなとき、エンドレスサマーを思い出したりしました。(温暖化ゆえ?(^^;))
アルバム「MARIA」は、実はライブアルバムなんですよね。
記念すべきyazawaのファーストDVDだったと記憶しています。
すみません、長くなってしまいました。
これからも宜しくお願いします!
by sima (2007-08-21 09:17)