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[りんご] [ozolagnia]


In the Garden of Eden a long time ago
There was born a story I'm sure you all know
I'm sure you remember, I know you believe
The story of Adam and Eve
…………
There within the garden walls
They both fell in love
Sheltered by the guiding hand
Of the one above
Life was filled with happiness
Until one day arose
A very great temptation
Well, you know how it goes
([ADAM AND EVE]words, music and vocal by PAUL ANKA, 1960)

久しぶりにりんごを剥いて食べてみた。酸味がほどよく美味かった。
それにしても、以前はあれほどよく食べていたリンゴをすっかり食べなくなってしまった。果物の種類が増えたことが原因だろうが、みかんは変わらずによく食べている。とすると、りんごは常食するほど美味しくはないのか。そうではなく、あの皮を剥くという作業が面倒になってしまっているのではないか。たいした時間ではないのだが。

リンゴのあの酸っぱい味覚と、薄い香りはなかなかいい。あれはリンゴ酸の味であり匂いだという。ただ、リンゴジュースとなると、なんだかドギツすぎる。あの匂いは香料の匂いだという。そもそもリンゴジュースやオレンジジュースの味は、ほとんど香料の匂いとして感知しているのだそうだ。実際の果汁100%のリンゴジュースとオレンジジュースを飲み比べると、ほとんどその違いがわからないとか。それぞれへ、それぞれの香料を入れてはじめてあの味というか、匂いになるのだそうである。

それこそ「アダムとイブ」の禁断の果実からはじまって、ウイリアム・テル、ニュートンあるいはお伽話・白雪姫のエピソードに使われるほどポピュラーな果物がりんごだった。なんでも石器時代からりんご食用の痕跡があるとか。ヨーロッパでは紀元前からりんごの栽培が行われていた。
気になるのは日本。みかんは紀伊国屋文左衛門で知られるように江戸の“丁髷人”も食していた。ではりんごは。時代劇にも出てこないように、現在のようなりんごが日本に入ってきたのは明治4年だという。それも仕入れ先はなんとアメリカ。輸入された数十種類の品種が全国各地で作付けされ、試行錯誤のすえ寒冷地が適していることが分かり、現在のような信州や東北を中心に栽培されるようになったとか。

戦後、♪赤いリンゴに……から始まって、♪リンゴの花びらが……、♪りんご畑のお月さん今晩は……、♪都へ積み出す真っ赤なリンゴ……、♪りんごの花ほころび……、♪りんごのような赤い頬っぺたのよ……、♪りんご齧っていたあいつ……など、昭和20年代30年代と、流行歌の素材としてよく使われたこと。
40年代以降でも、♪りんごの花が散るころに……、♪りんごかじりながら語り合ったよね……、♪青いリンゴを抱きしめても……、♪窓の外ではリンゴ売り……、♪ひとつのリンゴを君が二つに切る……、♪齧りかけのリンゴを思い切り投げつける……、♪真っ赤なリンゴを頬ばる……、とまあよく出てくる。それだけリンゴのイメージが“男と女の流行歌”むきなのだろう。(ちなみに上記の歌の題名わかりますか?)
これが“みかん”だとそうはいかない。〈窓の外ではみかん売り〉とか〈みかん食べながら語り合ったよね〉なんて、どこかロマンチックじゃない。……話が漫談風になったのでそろそろ終わりに。

上に載せた「アダムとイブの物語」ADAM AND EVEポール・アンカPAUL ANKAの歌。映画の主題歌ということだが、日本では上映されなかった(多分)。歌は昭和37年(1962)に藤木孝によってカヴァーされた。その後、ゴールデン・ハーフもカヴァーしたが両方ともいまひとつ浸透しなかった。原曲はイントロが南佳孝「モンロー・ウォーク」風で、歌い始めはやはり南佳孝の「スタンダード・ナンバー」のサビ部分に似ている。いつだったか、そのイントロ部分がテレビのバラエティー番組から聞こえてきて驚いた。


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コメント 7

deacon_blue

☆ 陽水はシングルカットもしていないのに,地元福岡ではヒットチャートを駆け上りました。ところでこの曲,解説を読んでぜひ聴いてみたいなと思います。
by deacon_blue (2007-04-26 11:57) 

MOMO

いつもありがとうございます。
ああそうでしたか、「氷の世界」はシングルでは出ませんでしたか。たしか初の100万枚LPでしたね。あたりまえですけど70年代の匂いたっぷりの歌ですね。福岡№1ってなんとなくわかります。
by MOMO (2007-04-26 22:14) 

pafu

♪わたしは真っ赤なりんごです お国は寒い北の国

ってのも入れてください。これ、童謡かなぁ。
便秘のときも下痢のときも、
りんごが効くんですよ。すごいなりんご。
by pafu (2007-04-29 02:06) 

MOMO

♪いまごろどうしているかしら りんご畑のおじいさん……
「りんごのひとりごと」でしたね。母親がよく歌っていました。昭和15年に作られた童謡で、「かもめの水兵さん」の作詞、作曲者と同じです。翌年、太平洋戦争がはじまり、国策により食糧にあらずということで多くのリンゴ園が潰されていったそうです。戦後爆発した「リンゴの歌」はその憾みもあったのでしょうね。
by MOMO (2007-04-30 22:03) 

pafu

「りんごのひとりごと」の全歌詞、
教えてください。
私、どうしてこの歌覚えたのか記憶がないのですが、
なんだか好きなんです。
by pafu (2007-05-04 06:17) 

MOMO

ももくんに教えてあげてください。そうすれば、この歌も長生きできます。

「リンゴのひとりごと」(詞:武内俊子、曲:河村光陽、昭和15年)

1. わたしは真っ赤なリンゴです
   お国は寒い北の国
   リンゴ畑の晴れた日に
   箱につめられ汽車ぽっぽ
   町の市場に着きました
   リンゴ リンゴ リンゴ
   リンゴかわいい ひとりごと

2. 果物店の小父さんに
   お顔をきれいにみがかれて
   みんな並んだお店先
   青いお空を見るたびに
   リンゴ畑をおもいます
   リンゴ リンゴ リンゴ
   リンゴかわいい ひとりごと

3. 今頃どうしているかしら
   リンゴ畑のおじいさん
   箱へリンゴをつめながら
   唄をうたっているかしら
   たばこをふかしているかしら
   リンゴ リンゴ リンゴ
   リンゴかわいい ひとりごと
by MOMO (2007-05-04 22:11) 

pafu

うわー、ありがとうございます。
2番がちょっと間違って覚えていて、
3番は初耳です。
覚えて歌いたいです。

巣鴨の八百屋さんが、
りんごをざるに入れて売っていらっしゃいました。
ラップや袋で梱包するより断然おいしそう。
by pafu (2007-05-05 23:07) 

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